.暗闇の中で、何も見えないまま手を握って俺たちは歩いた。 くじを引いたら、偶然こいつ、小島とペアになった。 俺って、皆から危なっかしげに見えるのかもしれない。 だから小島は俺の手を握ってくれたんだ。 少し、怖い。 湿り気の多い暑さの中に、妙な寒さを感じだ。 「小島・・・俺、怖い」 「はぁ~??こんなところが??濱野。」 小島は笑いながら言ったけど、俺に身体を少し寄せてくれた。 暑いのに、温かく感じるなんて。 風が、周りの木々を揺らした。 お墓の霊が騒いでるみたいに聞こえた。 とか、冷静には考えられなかった。 「わわわわわ!!!いる!!こじま・・・」 慌ててしまってみっともなかったけど、怖かったんだ。 だから、小島に抱きついたんだ。 やましい気持ちなんて、ない。 「・・・あ・・・」 顔をあげると、目の前に小島の顔があった。 NO.3ホストと同級生たちに歌われる、整った顔。 「濱野・・・・」 「・・・っ」 なんか、お化けなんかどうでも良くなるくらい、 俺の視界には小島で一杯になった。 なってしまったんだ。 「濱野」 もう一回名前を呼ばれると、唇に、温かい感触があった。 抱きしめられて、何も、小島以外、何も見えなくなりそう。 END ジャンル別一覧
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